Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.

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物流現場の人手不足に 自動化技術で応える

Story2 物流現場の人手不足に自動化技術で応える

eコマースの拡大などにより物流需要が高まる一方で、現場における慢性的な人手不足や作業員にかかる高い労働負荷は深刻な社会課題となっています。高品質な物流の要求、配送の小口化・細分化・迅速化、物流量の増加など、物流を取り巻く環境は大きく変化しており、物流現場においては作業効率や作業環境の改善、人手不足への対応が求められています。
工場や倉庫における屋内物流は自動化が進みつつありますが、一方で、冷凍倉庫内や屋外で行うトラックの荷積み・荷降ろしなどはいまだに人による作業が中心となっています。
1971年に世界初の無人フォークリフト(AGF)を開発したパイオニアである当社は、これまで工場や倉庫内物流を中心に、現場の無人化ニーズに最新技術で応えてきました。今後は、より広い範囲で「人と機械の共存」を実現させるべく、さらなる物流の自動化に向けた取り組みを進めていきます。

「2024年問題」解決に向けた課題解決ソリューション
「2024年問題」解決に向けた課題解決ソリューション
人と機械の共存
「2024年問題」解決に向けた課題解決ソリューション
「2024年問題」解決に向けた課題解決ソリューション

取り組み

AGFによるトラックへの荷積み自動化システムを実用化

物流サービスなどを手掛ける鴻池運輸株式会社と共同で実施していたAGFによるトラック荷積み自動化システムの実証試験を完了し、2024年3月から実運用を開始しています。出荷能力の向上によりトラック待機時間を削減することで、「物流2024年問題」の解決に貢献します。

AGFによるトラックへの荷積み自動化システム

多くの技術課題を解決し、システムを開発・実用化

私はこのプロジェクトの開発責任者として構想設計から稼働開始まで担当しました。
本プロジェクトにおいて、荷役対象となるトラックの荷台は、棚などの屋内物流設備と異なり車種・停車位置・荷物の重さ等により荷役位置がずれるため、自動化には複雑なセンシングと正確な機体制御が要求されます。また、トラック待機時間の削減のためには、システムが「人間並み」の積み込み時間を達成することが求められます。
タイトな開発日程のなか数多くの技術課題に直面しましたが、チームで一つずつ解決し、実用化に漕ぎつけました。
お客様の現場で待機スペースに並ぶトラックを見たとき、早く製品化をして待機時間を少しでも減らしたいと強く感じました。プレスリリースに対しても大きな反響を頂き、市場の強いニーズを感じています。トラックによる物流は、私たちの生活を支える重要なインフラの一つです。今後も機能改良を続け、このシステムがトラックによる物流の効率化に寄与することを期待しています。

技術本部 物流ソリューションエンジニアリング部 物流システム開発課 主任 吉田 徹郎

技術本部 物流ソリューションエンジニアリング部 物流システム開発課 主任
吉田 徹郎(2024年5月現在)

※インタビュー内容、役職、所属は取材当時のものです。

国内初となる、-25℃冷凍倉庫対応のAGFを発売

冷凍倉庫における業務革新に取り組む(株)ニチレイロジグループ本社と共同で、冷凍冷蔵倉庫型のレーザー誘導方式AGFを開発し、2022年6月より販売しています。
従来からの課題であった低温環境下における作業者の負担や、慢性的な人手不足による業務稼働の不安といった課題を解決します。

物流実験センター

現場での実証実験を繰り返し、過酷な環境で活躍する無人フォークリフトを製品化

私は開発責任者として本プロジェクトに参加しました。冷凍倉庫内での有人フォークリフト作業は、身体への負担が大きく長時間の連続作業が難しい一方で、現場の人手不足も深刻な課題です。そこで今回お客様からの要望を受け、温度差のある冷凍倉庫間の往来が可能なレーザー誘導無人フォークリフト製品化に向けたプロジェクトが始まりました。
製品の実現にあたっては、技術的な課題が多くありました。私自身、何度もお客様の冷凍倉庫に足を運び、前室や冷凍倉庫環境を体感しました。製品化を待ち望むお客様の期待に応える一心で、絶対に課題を克服しよう!とプロジェクトメンバーと共に何度も試行錯誤を繰り返し、無事に製品化に至ることができました。
展示会でのPRやプレスリリースを機にお客様からの冷凍倉庫仕様でのお引き合いが増え、反響の大きさを感じています。
また、今回の経験を通じて現場では多様な方々が協力して作業を行われていることが改めて分かりました。今後はユニバーサルデザインの視点を取り入れた製品開発にも携わっていきたいです。

技術本部 物流ソリューションエンジニアリング部 物流システム 生産設計課 課長 門地 正史

技術本部 物流ソリューションエンジニアリング部 物流システム生産設計課 課長
門地 正史(2024年4月現在)

※インタビュー内容、役職、所属は取材当時のものです。

三菱重工業(株)と連携し、物流の自動化に向けた実証実験を進めています。

工場や倉庫における屋内物流は自動化が進みつつある一方、屋外で行うトラックの荷積み・荷降ろしなどは人による作業が中心となっています。
三菱重工業(株)と当社が共同運営する「物流実験センター」では、AGFなどの自動化機械に、先進的な技術をさらに適用して、荷役作業の自動化実現にむけた実験や検証を進めています。

荷役作業の自動化実現にむけた実験や検証

フィンランドに無人搬送車のデモセンターを開設

フィンランドの生産拠点MLFIにて、AGV(無人搬送車)のデモセンターを開設しました。実際の倉庫環境が再現されており、AGVとフォークリフトを併用して、荷物が運び込まれ、棚に保管し、出荷されるまでを見ることができます。
有人フォークリフトとAGVの両者協働を実現する「ミックスドフリートソリューション」の開発を推進していきます。

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